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いきなりストックシェルターはやめておけwwwww


 いきなりストックシェルターはやめておけ。
 
 はい、表題のまんまです。TJARスタイルやUL系、スピードハイクw系の方にはおなじみストックシェルターですが、これはいきなり使うもんじゃありません。いきなりというのは、テント泊の経験なしにストックシェルターでアルプスで泊まるということです。これは相当レベルが高いんです。今日も明日も下山まで晴天無風、自分のコンディションばっちりなんて時にはギリギリいけるかもしれませんが、ひとたび雨でも降ろうものならもう地獄です。雨漏り上等、倒壊上等、窒息上等じゃないと使えません。特に窒息は本当にあります。アドベンチャーレーサーの田中正人氏は、このシェルターが出たとき、何の知識もなく使うと窒息して死人が出ると思ったそうです。

 そもこのストックシェルターはTJARを2回完走している長野のトレイルマウンテン店長、奥野氏がその豊富な経験と知識でギリギリまで重量と快適性を削り、山中を素早く行動できる体力知識経験豊富なエキスパート向けとして開発したものです。テント泊やツェルト泊の経験も、ましてアルプスで泊まった経験もない人がインターネットの知識だけでいきなり使えるものではありません。たとえ使えて何度も泊まれることができたとしても、それはたまたま大丈夫だったというだけでしょう。

 今回の選考会でもストックシェルターがほぼ9割近くを占めていましたが、風雨の稜線を越えてきた中で問題なく設営出来た人は何人いたのでしょうか。(僕は担当でないからわかりませんが)
 特に濡れたシェルターの生地は透湿性がほぼゼロになります。入口ファスナーを締め切っていると雨天では間違いなく窒息します。寝ているとそのまま死んでしまうかもしれません。こういったリスクは自分で経験して覚え、自らが対策を考えて実施しないと経験値として身につかないと思います。
 ストックシェルターはその特殊な形状のため、風が強いと幕が体に張り付く事も多々あります。自分がずぶぬれで雨が降っているとき、シェルターの幕が自分の体に張り付くとそれは外で風に吹かれ、雨に打たれている状態と変わりません。あっという間に体温を奪われてしまいます。ではそんなときどうすればいいのか?これも経験して自ら解決しないとわからないでしょう。もちろんインターネットで答えは見つかるかもしれません。でもそれは頭で覚えた知識です。自分で経験して身に着けた事とは違います。

 テン場が砂利だったらペグは効くのでしょうか。ペグが効かなかったらどうすれば?シェルターが強風でうまく建てられない。どんどんあなたの体温は削られていきます。どうすれば?

 まずはテント泊、最低でも小屋の近く、避難できる建物がある場所でツェルト泊を経験してほしいと思います。雨の日に庭でストックシェルターでも良いかもしれません。いきなり3000mのアルプスでストックシェルターは危険です。なぜこのシェルターにいきついたのか、そのプロセスが大切なんです。テント泊からシェルター泊、里山からアルプスのベース、いよいよアルプスのテン場へとステップアップした中で得られた経験が、ストックシェルター泊に活きてくると思います。
 
 必要な道具、使い方はインターネットでいくらでも得られます。しかしメッシと同じスパイクを履いたからといってメッシのプレーはできません。それと同じで、道具だけそろえて格好だけ真似しても、自然は、山は容赦してくれません。エキスパートでも初心者でも風の強さ、雨の冷たさ、夜の寒さは同じなのです。

 誤解しないように書きますが、ストックシェルターはとても素晴らしい道具です。使い方を間違わず選べばこれほど簡単に軽く山中で宿を得られる道具は他にみあたりません。しかしそれは多くの経験を必要とします。

 何度も書きますが、自然はエキスパートにも初心者にも平等です。たまたまうまくいった、が当たり前と思うのはとても危険です。
どうか段階を踏んでストックシェルターを使ってください。そしてストックシェルターの素晴らしい利点が十分に活かせるような、そんな山行が出来たらさらに山の楽しさは広がると思います。

 日々練成

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雨の夜間に倒壊したストックシェルター。中の人は低体温症で危険な状態に。


[ 2018/06/27 19:57 ] 独り言 | TB(0) | CM(4)