連載 TJAR2016 「2日目」 ~8月8日~


 8月8日 1:00
 一度0時ぐらいに目が覚めた気がするが良く眠れたようだ。頭はスッキリしている。脚も大丈夫そうだ。静かに撤収準備。米田選手はスゴの小屋前で朝食にするという。僕もシェルターを片付けて小屋前へ。隣にいた栗原選手に一声かけて移動する。
 小屋前のベンチをお借りして朝食&パッキング。昨日五色ヶ原の山荘で買ったカップ麺にガスでお湯を沸かして入れる。と、ここで箸がない事に気がついた。当然持っているわけがない。さあどうする。それっぽいものを探すと歯ブラシがあった。一本でも何とかなるだろう。口に入れるものだからどうという事は無い。カップ麺と適当に行動食を食べて出発準備。桑山選手と栗原選手も一緒に4人でスゴ乗越小屋を出る。

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 歯ブラシでカップラーメン 貴重な写真

 4:30
 薬師岳
 北薬師への嫌な登りを越えて稜線へ。前回平井さんが夜明け前の薬師稜線に、星空の下選手のヘッドライトが瞬く風景が素晴らしく美しい、と言っていたのを思い出す。ふと後ろを振り返ると稜線下にヘッドライトが何個か見えた。まさに夜明け前の星空の下に瞬く仲間の灯。思わず息を飲む風景だった。
 ここからは北アルプスのお楽しみ区間。先行していた田中選手に追い付く。薬師岳ではご来光待ちの登山者が続々登ってきていた。カメラマンに撮影されつつ薬師小屋へ。小屋で小休止。薬師峠のテン場では楓さんが親子で応援に来てくれていてびっくり。相変わらずその格好なのねw
 太郎小屋は多くの人で賑わっていた。朝食代わりにパン2つとフルーツ缶を買う。このフルーツ缶が大あたり。激ウマです。栗原選手にも勧めると同じく大あたりだったようだ。食べるシーンをNHKにがっつり撮影されていた。登山者の方々に熱烈な応援を受けて出発。木道を栗原選手と進む。カメラががっつり栗原選手(以下葉っぱちゃん)を撮っている。天気も良く、ガスもないので遠望が良く利く。もうすぐ白山が見えるはずだと葉っぱチャンに話ながら進むが、残念ながら白山は見えなかった。と、カメラが何が見えるんですかと聞いてきたので、ここぞとばかりに白山の素晴らしさをカメラに滔々と語る。そしてビシっとしめて決まった(ドヤァ)と思った瞬間、木道の段差に足を取られて大転倒!まさにズザーって感じで転んでしまった。もちろんカメラは貼り付きで撮影。決まったと思ったのにオチが転倒とはトランス芸人の真髄よ。おいしいところをがっつり撮ってもらってありがとうございます。

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 夜明け前の薬師岳

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 米田選手と

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 太郎小屋にて集合写真

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 超美味しいフルーツ缶。カロリーオフ?


 7:20
 北ノ俣岳
 北ノ俣岳からは黒部源流一帯が一望出来た。初めての大展望に興奮だ。晴れてるって素晴らしい。この辺は北アルプスで一番好きな場所。稜線を気分良く進む。と、MH.TRCのMamoruさんが登場!こんなところまで応援に来てくれて感謝!選手達はどこまでチームメイトが応援にくるのと驚いていた。どうやら僕のGPSがうまく動いてないらしく心配だったらしい。元気で進んでいますので大丈夫です。握手して先へ進む。
 黒部五郎への登りは急登。ひとりトランスの大場さんも休憩しているので、ここで小休止してエネルギー補給。肩まで300mの登りを気合い十分で登るがあっさり肩へ到着。意外と近かった。カールへ降りると別世界のような展望が広がっていた。ガス一つない展望なんて初めてだ。トランスとは思えないほど楽しみながら小屋へ。

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 太郎小屋へと、小屋からの木道。このあと盛大にずっこける。

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 素晴らしい遠望。黒部源流一帯が一望出来た。

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 北ノ俣岳での桑山選手。ぼちぼち芸人として板についてきた…?

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 MH.TRC Mamoruさんと。応援ありがとうございます!

 10:00
 黒部五郎小屋
 大休止。小屋に断りを入れて物干しでシェルターや濡れた物を乾かす。その間にカレー大盛りを皆で注文。痛いくらいの日差しの下で足のケアや食事。こんな時間もトランスならではだ。今日は明るいうちに槍を越えたい。三俣蓮華から双六小屋へは長い巻き道。走れるところは走って進む。双六小屋でペットボトルを補給。ここはスタッフチェックがある。スタッフ業務も大変だ。さあ槍へアタック。予定なら16時には槍だ。長い西鎌尾根をヒイヒイになって進む。日差しがきつい。丁度中間地点で70リットルのザックをパンパンにした若い女性がふらふらで歩いてきた。揉沢岳まであとどれくらいかと聞くので2.5時間はかかると答えると憔悴しきった顔をした。聞くと槍から3時間かけて歩いてきたらしい。とはいえコースタイム5時間の道。水はあと少ししかなくヤバイというので僕は500のペットボトルを1本、米田選手は500ほど分けてあげた。この様子ではとても双六までいけそうにないので、ダメなら少し先に平坦な場所があるのでそこでビバークするようにとアドバイスして先へ進んだ。槍へラストの登りはキツイ。あと少しというところで槍ヶ岳山荘のスタッフから熱烈な応援を受ける。

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 2年ぶりの黒部小屋カレー

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 こんな時間もトランスならでは

 16:15
 槍ヶ岳山荘
 どうにか明るいうちに槍は越えられた。ここで大塚さんに会う。熱い兄貴と再会して気合いが入る!食堂は食べ物が殆ど売り切れなのでカロリーメイトとペプシで補給。カメラにインタビューを受ける。プロテクトJ1で入念に足裏ケア。J1のおかげでここまでノートラブルだ。山荘スタッフの熱烈な歓迎にこちらも嬉しくなる。前回の写真まで準備してくれていて嬉しいです!盛大な見送りを受けて米田選手、桑山選手と槍沢へ下る。

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 槍ヶ岳山荘スタッフからの熱烈な見送り!

 長い下りを経て槍沢へ。ここから平坦な林道を急ぐ。相変わらず飽き飽きする区間。ほどなく日没を迎えた。疲れた身体で単調な林道を進むのは眠くなる…。19時間を越えてくると途端に行動スピードが落ちてくる。眠気ギリギリで21時に上高地到着。CPでチェックを受けてカメラからインタビューを受ける。バスターミナル近くのウッドデッキで荷物を広げて就寝準備。今日も長い一日だった。雨さえ降らなければ装備を消費しないのですむ。電波があるので家族とチームに連絡してヴィヴィへ潜り込む。明日は長いロードだ。暗いうちにトンネルを越えたいな……。

 日々練成


 
 
[ 2016/08/19 20:34 ] 2016TJAR | TB(0) | CM(0)

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