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TJAR2018 6日目 6日と24時間)スイーパーまとめ


 18日~18日深夜

 聖小屋を17時半にスタートする。NHKのカメラクルーも数人張り付きだ。最後尾集団にはドラマがあると狙っているのだろう。
 急いでかきこんだビバークレーションが腹にもたれる…。まずは南岳への樹林帯の登り。夕闇が迫るなかこの時間はTJARで最も緊張し、気が焦る時間だ。暗くなる前に難所を越えたいと思うのは誰でも同じ。南岳へ出ればあとはほぼフラットだ。

 南岳の肩で後ろを振り返ると今までガスに隠れていた聖岳が突然その姿を表してくれた。選手もスイーパーもカメラクルーも思わず全員振り返って息をのむ。その時、スッと遠くのガスが晴れて、赤石岳、荒川岳、塩見岳、遠く仙丈も見えている。眼下には見事な雲海。そしてその雲海に真っ赤な夕陽が沈んでいくところだった。すべてが赤くそまり、南アルプスの巨人達が選手たちを見送ってくれているようだった。

 秋元選手はいよいよ脚が厳しいようだ。ふと、先行していた福山選手、高田選手が立ち止まった。秋元選手に挨拶がしたいという。そう、これはレースなのだ。いつまでも待っていられる時間はない。しかし二人の気遣いに僕は思わずぐっときてしまった。
 秋元選手が追いつくと、三人は言葉少なに会話を交わした。握手をしたらそれぞれの道をいくだけだ。ここで僕は先行2人につき、朽見スイーパーは秋元選手につくことになった。

 茶臼小屋まではすぐだがNHKが選手とスイーパーの間に入っているのでうまく距離を保つのが難しい。21時頃茶臼小屋CPでチェックを受けてすぐに出発。下りは二人共元気でコースタイム50パーセント以下で飛ばしていく。NHKが時折立ち止まって撮影するので邪魔にならないようにするのがめんどくさい。横窪沢小屋手前ではたくさんのヘッドライトが上から見えた。多くの人が応援してくれているらしい。小屋に到着すると恒例のメッセージボードが。小屋番の木村さんも僕の事を覚えていてくれた。いつもTJAR応援ありがとうございます。
 小屋でもあまり止まらずに二人は進む。ここから嫌な区間。僕が選手なら絶対夜間は通りたくない。ウソッコ沢小屋を過ぎると吊り橋が5か所出てくる。最後の渡渉ポイント付近でNHKクルーが数名合流してきた。何事かと思ったら、さらに先の先行していた選手がこのあたりで寝ていたらしい。見ると中野選手、大坪選手、竹内選手だった。おもわぬ大所帯に選手達もどこか心強そうだ。一気に元気を取り戻したみたい。中野選手は川の音がずっと男性ボーカリストの歌と女性の会話に聞こえる幻聴を聞いていたらしい…。ここまでくると幻聴幻覚はあたりまえか。

 23時にヤレヤレ峠到着。竹内選手もベンチに腰掛け一息のようだ。前回より全然元気。いよいよ吊り橋だ。選手とクルーを優先して僕は最後にわたる。ここでスイーパー業務は終了だが、朽見君がまだ上にいる。電波がないので連絡が取れないが、百戦錬磨の彼なら大丈夫だろう。須田スイーパーも追いついてきて沼平ゲートから須田スイーパーの車で井川オートキャンプ場CPまで送ってもらえることになった。井川CPに着いたら本部へ経過を連絡。とりあえずは事故なく業務を遂行出来て安心だ。仮眠したいところだが、走っている選手を見るとそうもいかない。軽く休憩して須田さんの車で応援に回ることにした。
 
 選手たちはいよいよ地獄のロードに入る。疲弊しきった身体にどこまでも単調なアスファルトが襲い掛かる。TJAR最後にして最恐の区間がついに始まった。

 日々練成

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 振り返ると聖岳がその姿を見せてくれた。

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 見事な雲海と夕陽。

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 南アの巨人達に見送られ、痛む脚で前へ進む秋元選手(後ろは朽見スイーパー)

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 ヤレヤレ峠でカッパを脱ぐ竹内選手。思わぬ大所帯に、南ア深夜の山中も賑やかになる

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 ついに始まった地獄のロードを進む選手たち

[ 2018/08/22 21:00 ] TJAR2018 | TB(0) | CM(0)

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