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SILVA TRAIL RUNNER2 (シルバ トレイルランナー2)レビュー


 ちょっと気分を変えて久しぶりに道具の紹介。
 僕が使っているヘッドランプはSILVA社の「トレイルランナー2」。このヘッドランプ最大の特徴は「超拡散光」であるという事。近年ヘッドランプは明るさ競争が激化して、高ルーメン(明るさの単位)をウリにしたモデルが多い。確かに「暗闇で使う」事がヘッドランプの存在意義である以上明るさは絶対的な条件だ。となれば必然的にコリメーターレンズを使った「集光」タイプが明るさでは優位。中には200ルーメンを簡単に超えるようなモデルも出て来ている。

 明るさだけ、を見れば集光タイプが一番かもしれない。しかし使用条件を考えてみるとこれがなかなか難しい。特にアウトドア、特に山中の夜間行動(夜は行動しないのが一番ですが)ではこの集光タイプが少々厄介になる事もある。この集光タイプはコリメーターレンズというレンズを使ってLEDの光を集約して照射するタイプが多い。このレンズで集約された光は相当明るい。だがレンズで集約しているので明るさの「境目」がくっきりとなる。これが場合によっては若干見くくなる事がある。
 
 山中では進行方向だけを見ている訳ではない。周りの状況、足元の状態、時には道標や赤テープも探さなければならない。そんな時集光タイプだと光が向いている方向しか明るくないので(当たり前だが)全体を確認するためには見たい方向全てを向かなくてはならない。
 極端な条件で言わせて貰うなら、木の枝で少し見通しが悪い分岐とかで、目の前の光が差す方向だけを見ていると分岐に気がつかない、何てこともあるかも?いや、多分無いだろう。

 対して「拡散光」の場合は集光式に比べて絶対的な明るさでは劣る。が、かなり広範囲を境目なく照らせるので回りの状況が把握しやすい、という利点がある。これは実際に使ってみると良く分かるが、頭を向けなくても全体の様子が分かるのは非常にストレスが少ない。トレラン等では目の動きだけでも周囲の状況、特に足元は意外に見やすく感じるのでとても便利だ。

 そこでこの「トレイルランナー2」である。
 このライトは冒頭で述べた通り、拡散光である。SILVA社が「インテリジェントライト」と呼ぶ非常にユニークな独自の拡散光システムを採用し、光をレンズで拡散させるのではなく、LEDを2つ並べてそれぞれが独自の役割を担って拡散光を作り出すというものだ。
 このシステムがとても秀逸。まず殆どスポット(光が丸く集約している部分)がない。ということは無駄なく光が拡散しているという事。そして照射範囲がとても広く、境目がハッキリせず、いい意味でぼんやりとしているので目がチカチカしずらい。(暗いところと明るいところがハッキリしていると目が疲れやすいと感じた)
 
 そしてもう一つの特徴が、電池パックが別体式であるという事。ライト&ファストが主流の現在、この別体式は重さや大きさの面から選択肢に入らない事が多いが、一度使ってみるとその使いやすさに驚く。前後の重さバランスが良く、幅広のベルトと相まってズレる事が殆どない。ライト部分が軽く、フロントヘビーにならないのでヘッドライトをつけると頭の痛みが出る人にもお勧めだ。別体式はコンパクトさや重さでは遅れをとるかもしれないが、それ以上の恩恵があると思う。
 
 付属のバンドは30mmと幅が広く、裏にシリコンの滑り止め加工もされていてトレイルランの激しい動きでもまずズレたり、ライトがブレたりする事がない。
 
 操作も非常にシンプルで分かりやすい。ボタンは一つで、一回押すとON(High)、もう一度押すと(Low)→(High)と繰り返す。消灯したい時は約2秒長押しすればいい。消灯後は電池の残量レベルを知らせる3色のLEDがライト内で数秒点灯する(残量に応じて、緑→オレンジ→赤)

 防水もIPX-6と十分。雨続きのTJARでも一度も動作不良は起こさなかった。(実験的に、一度水に漬けてみましたが問題なく点灯しました)

 トレイルランナー2という名前からもトレイルラン用に作られているように思える。
 本場イギリスのトレイルラン雑誌で、有名メーカーの主力ライトを退けてベストライト最高評価にも選ばれたというのも納得だ。しかしトレラン専用かといえばそうではない。そもそもトレランに使えるなら通常の登山では十分過ぎる程のスペックであるという事。登山やハイキングでも積極的に使って行けるだろう。

 このクラスのライトで言えばブラックダイヤモンドのスポット、ストーム。ジェントスのデルタピークあたりが競合すると思う。上記のライトもとても優秀だが、超拡散光、電池別体式のバランス、シンプルで分かりやすい操作、幅広で安定感のあるベルト等でいえばトレイルランナー2が優位だと思う。数値以上の見やすさや、使ってみてわかる重量バランス等、カタログスペックから見えてこない事は多い。

 良い事ばかりに思えるが勿論弱点もある。それはガスや霧に対して弱いという事。拡散光であるが故に、ガスのように光を拡散しやすい条件では光が拡散しすぎてしまい、かえって見にくい場合もある。そんな状況に備えて小型のスポット型ハンドライトも併用するとベストかもしれない。

 色々書いてきたが、あくまで個人的な感想。道具は人それぞれで使ってみないと分からない。
 しかし新しいライトを購入予定だったり、違うライトを探している場合は候補に加えてみる価値は十分にあると思います。購入や詳しい数値は販売店のアカリセンターさんもしくは代理店のノルディックスポーツさんがとても丁寧に対応してくれます。

 日々練成

  
 23eq (4)
 全体像。特徴的な2灯ライトデザインに惹きつけられる。

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 ライトユニットは方持ちアームという独特なデザイン。操作ボタンは一つで押し易いクリック感。操作もシンプルで分かりやすい。

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 ライトユニットは可動式。下は水平から90度、上は約30度の範囲で可動するので、ヘルメットを付けていても影になる事はない。

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 後方のバッテリーユニット。衝撃対策なのかラバーコーティングしてある。単4×3本を使用

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 太めのパッキンが内蔵してあり、防水対策は十分。中に電池のイラストが描いてあり、プラスマイナスの間違いを防ぐ。蓋の開け閉めはグローブしたままでもやりやすい。

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 超拡散光を作り出すインテリジェントライトシステム。色温度の違うLED2つがそれぞれの役割を担う。

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 消灯後、バッテリー残量もインジケーターで知らせてくれる。これは80%以上の状態

23eq_201503022150217db.jpg
 電池入りの状態で実測125g ブラックダイヤモンドのストームが電池入りで115gなのでその差は10gしかし別体式なので重さは数値以上に感じない。



 
 

 
[ 2015/03/02 21:21 ] 道具 | TB(0) | CM(0)

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